コラム

どうして子どもは絵を描くの?

プレイグループ倉敷校ではアート(図画工作)をプログラムに取り入れています。
ではなぜ、子供は絵を描くのでしょうか?
その事について磯部錦司は著書にて次の様に述べています。(抜粋)

子どもが絵を描くことは「生きる喜び」であり、また人間の本能ではないかと感じる。
「子どもたちの発達や育ちに欠くことのできない必要条件」であると思う。
たとえば、テーブルの上に汁がこぼれたとき、大人はすぐにそれを拭き取ろうとしますが、1歳前後の子どもを見ていると、指で触り、その指をなめ、匂いをかぎ、そして手で左右に広げてぬたくりを楽しみます。
また、園庭に雪が降り真っ白になれば、そこに足跡がつくのを発見し、それを楽しむように駆け回ります。
目の前に白い紙とクレヨンがあれば、まずはそれをなめ、紙の上に転がし、折ったり、たたいたりし、そのうちに線がひけることを発見し、そしてそれを繰り返していきます。
このように、感覚や視覚をはじめ全身の感覚を使い、子どもは「もの」を自分の中に感じて取り込み、そしてまた、「もの」に関わろうとする行為を繰り返し試みていきます。
「もの」との関係の中で、全身の感覚で感じて、行為で表すということを絶え間なく繰り返していきます。
このような連続した探索活動の中に、「描くという行為」が生まれてきます。
そう考えると、「もの」に関わる何気ない一つ一つの行為が、子どもにとっては貴重な体験であるということがいえます。

この様に子どもにとって絵を描く事は必然なのです。
そして絵を描く事によって、色彩豊かな感覚や創造性を身に着けていきますが、それ以外にも大事なステップがあるのです。
始めてクレヨンなどを持った子どもは、まずシュッシュッと線を引く事から始めるでしょう。
次にグルグルと円を描き、そして三角や四角っぽい角のあるものへと進歩していきます。
ここまでくれば、「これは車だよ」「これはママの顔」などかなり具体性がでてくると思います。
そして、その先にあるのが文字なのです。

いっぱいいっぱい絵を描いて、細かい工作をする事により、子どもは知らず知らずに指先の細かい筋肉や神経を鍛えているのです。
そしてクレヨンや鉛筆のコントロールが上手になって、筆圧も強くなり文字が上手に書けるようになるのです。
プレイグループ倉敷校では年中さんからワークブックを使って文字の練習をしますが、文字に興味があり、書きたがる様であればお家でもどんどん書かせてあげたらいいと思います。
しかし、この「書きたがる様であれば」が大事で、年中未満のお子さんに強制して文字を書かせるのは良くないと考えます。
それまでは、いっぱい絵を描いたり、折り紙をしたり、そういう事で指先を鍛えてあげる事の方が大事です。
まわりに流されたり、焦る事はありませんし、そのお子さんの成長レベルに合わせてやっていく事が必要です。

ここで、なぜ強制して書かせる事がよくないのか触れておきましょう。
絵画教室を経営されている方が、引込思案でなかなか自分から発言する事ができないお子さんのお母さんから相談を受けました。
取りあえず、教室に通ってもらい絵を描かせる事にしたそうです。
自由に描いていいよといってもなかなか描く事が出来ず、1時間後に画用紙の隅っこに小さくお花を描いたそうです。
先生はもっと大きな絵を描いてもらいたくて、太い筆を子どもに持たせて描かせる事にしました。
そして、何度も通い長い時間をかけてやっと大きな絵が描けたそうです。
その時先生はその子をとっても褒めてあげたそうです。
それからは自由に大きな絵が描けるようになり、教室の他の子どもたちとも大きな声でお話しができる様になり、学校でも明るくなったそうです。
その背景には必要以上のお母さんの干渉があったそうです。
その子も小さい頃は絵が大好きでいっぱい描いていたそうですが、お母さんが「もっとこう描きなさい。そこはその色じゃないよ。」と色々口出ししているうちに絵を描かなくなったそうです。
絵には正解がなく、空がピンクでも、海が黄色でもいいはずで、このようにお母さんが干渉しすぎてはダメなのです。

しかし、これが文字になった場合、文字には正解があり、お母さんなり先生が訂正していかなければならないでしょう。
幼少の頃にそういった経験をすると、描く事や、書く事がいやになる事もあるかもしれません。
子どもが小さな頃はもっと自由な創作活動が必要です。
お家でもいっぱい落書きさせてあげてください。
そしてその時にはいろいろ口出ししすぎない様に注意してくださいね。

倉敷のプリスクール プレイグループ倉敷校

どうして子どもは絵を描くの?

お問い合せ・無料体験のお申し込み

ページトップへ戻る

PAGETOP